【作例】SIGMA Art 35mm f1.4 は日常を”アート”に変える魔法のレンズ

α7Ⅲの常用レンズとしてSIGMA 35mm f1.4 artを購入し1年ほど使用しましたので、レビューと共に感想を綴っていきたいと思います。

ちなみに主な撮影対象は娘二人と日常のスナップ。ですので、逆光耐性だとか各収差だとかって言うような定量的な話よりも、レンズが描き出す絵の魅力そのものについてお伝えできたらと思います。

SIGMA 35mm f1.4 artの特徴

スペック

レンズ構成枚数11群13枚
画角 (35mm判)63.4°
開放F値F1.4
最小絞りF16
最短撮影距離30cm
絞り羽根枚数9枚 (円形絞り)
最大撮影倍率1:5.2
最大径 × 長さφ77㎜ × 94.0㎜
重量665g(Eマウント:755g)

SIGMA 35mm f1.4 artの長所

  • 開放から優れた中央のシャープネス
  • 立体感があるコントラストの高い描写
  • リーズナブルな価格と純正と同等の光学性能
  • 準広角ながら大きなボケが得られる明るいf値

SIGMA 35mm f1.4 artの短所

  • やや純正に劣るAFスピード
  • 35mm単焦点としては大きく重く携帯性が悪い(特にEマウント版)

日常を”アート”に変える魔法

SIGMA Art 35mm f1.4は、Artシリーズ第一弾として送りだされた新生SIGMAにおけるフラグシップともいえるレンズです。

■Artシリーズとは

アーティスティックな、あるいはクリエイティブなマインドをもった方々の高度な要求水準を満たす、圧倒的な描写性能。芸術的表現力に最大の力点をおいて開発されており、サイズや多機能性に優先して「とにかく描写性能を」との期待に応えうるライン。

SIGMA 公式サイト

発売からおよそ6年が経過した今でも、光学性能は間違いなく一線級。目の覚めるようなシャープな描写が特徴で、その高い描写性能とf1.4の明るさが起こす化学反応が素晴らしく、いつもの日常を”アート”に変えてしまう魔法のようレンズ。それがSIGMA Art 35mm f1.4です。

子どもと過ごす日常だって

いつもの散歩道も

気になるあのお店も

良いところ

1、高い解像性能と柔らかなボケ

Artシリーズ一番の特徴は、なんといってもその高い解像度。実際に使ってみると噂にたがわぬ描写性能で、画面中央は絞り開放からすでに抜群にシャープです。コントラストも高くキリっとしたクリアな写りには惚れ惚れしてしまいました。

さすがに周辺部は中央に比べて甘めにはなりますが、f4くらいまで絞り込んでいけば画面全域がカリカリになって「目が痛いほどの解像感」を得ることができます。

それとこのレンズ。青がすごくキレイに写ります。

SIGMAは寒色傾向と言われことも多いのですが、透き通るようなクリアな描写が青をより青く写すことで、そんなイメージにつながっているのかな?と漠然と考えてみたり。

そしてただ高解像なだけではなくて、ボケがキレイなこともこのレンズの見逃せないところ。

ピント面のシャープさと柔らかいボケ(特に後ボケ)が相まって、ひとつの世界にふたつの性質が混在する不思議な描写。

それが日常を”アート”にする魔法の正体なんだと思います。

2、明るい

35mmって超万能で”引けば広角っぽくて寄れば標準っぽいっていう”良いとこ取り”のレンズ。だからすごく使いやすいレンズです。

ただ35mmって言うだけならこのレンズに限った話でもないのですが、そこにF1.4っていう明るいスペックが加わることで、グッと表現の幅が広がります。

明るいレンズは暗いところでもシャッタースピードを稼げるというメリットの他に、被写体を浮かび上がらせる効果もあります。いわゆる背景ボケですね。

比較的ボケにくい35㎜という焦点距離でも、大きくボカすことができるのはf1.4のスペックだからこそ。望遠レンズのような圧縮感のない自然な遠近感は、見たままの景色を写し取るのに最適です。

3、子どもの撮影にピッタリ

そして、見たままの景色を切り取ることができる35㎜は、子どもの撮影にもぴったり。

僕の撮影する被写体の9割が、娘2人の写真。今でこそ35mmをメインで使っていますが、カメラをはじめた頃は背景ボケが楽しくて中望遠レンズばかり使っていました。

現にダブルズームキットの次は”背景をボカせる”という理由から、APS-Cなら50㎜くらい、フルサイズで85㎜くらいの中望遠レンズがオススメされることが多いと思います。

▲FE85mm f1.8で撮影

確かに背景がボケると被写体が引き立って、いわゆる「絵になる写真」が撮りやすいんですよね。最初の頃はそれが楽しくて、つい“絞り開放で背景トロトロ写真”や“寄り”の写真ばかりを撮影していました。

ところが今になって写真を見返すと、背景がボケすぎてて「どこで撮ったのか分からない」なんてものも少なくなかったり。写真単体でみれば確かにキレイに撮れているとは思うのですが、画角の狭さからくる情報量の少なさも加わり、思い出や記録として残すには少し独りよがりな気がしてきたんです。

そこではじめて目を向けたのが35mmでした。

正直カメラを始めてしばらくは、あまり意識したこともない焦点距離だったんですよね。なんか中途半端な距離だな、って。

ところが、実際に使ってみると35mmってほどほどの広角感があって、その場の情景を含めて写し撮ることができるから、子どもの撮影にはすごくフィットすることに気づきました。

もちろん、より広角なレンズを使えば写せる範囲は広がるんですが、その反面背景ボケを出しにくくなります。そのあたりのちょうど良さが35mmのメリットで、被写体と背景の距離を考えればしっかりボカせるし、きっちりパンフォーカスも狙える。

背景が大きくボケた写真はそれはそれで素敵ですが、やはりその場の情景を入れ込んだ写真は”記録としても思い出としても”より記憶と直結しやすいものになると、今だからこそ強く感じます。

4、リーズナブル

基本的にf1.4の明るさは、上位ランクの製品に割り当てられるスペックです。となると必然的に価格も高価なものになってくるのですが、SIGMA Art 35mm f1.4はおよそ純正品の半額の8〜9万円で購入することができます 。

FEマウントなら純正Distagon 35mm f1.4が20万円弱。EFマウント、Fマウント共に同スペックのレンズは、やはり20万円オーバーという結構な金額です。たぶん自分には一生手が出ません…。

描写性能についても海外レビューを参考にする限り純正レンズと大きな違いはなく、レンズごとの個体差で評価が異なる程度の僅かな差。

やはりArt 35㎜のコスパの良さが際立ちます。

まあどちらのレンズが優れているにせよ、僕自身はこれ以上の描写性能を必要としていませんので、SIGMAのリーズナブルな価格は非常にありがたいです。とは言っても10万円近くするわけですから、レンズって高いなあとは思いますが、笑。

気になるところ

1、重くて、ちょっと大きい

すごく気に入っているレンズなので、正直言ってあまり不満らしい不満はないのですが、しいて言うとすればレンズ自体の重量とサイズについて。

これはSigmaのArtシリーズ全般に言えることなんですが、少々レンズが重たく少し大きいです。Eマウント版はもともと一眼レフ用だったレンズに下駄を履かせただけの格好になっているので、その分だけ(100gくらい)重くなっているんですよね。計776g。

ただ、大きさ重さに関しては明るさと描写のトレードオフみたいなところもあるので、仕方がないと思う気持ちもあるのですが、このサイズ感はミラーレスのメリットをスポイルしかねない程のものなので、もう少し軽くて小さくなれば携帯性もいいのになとは思います。

2、柔らかい表現には向かない…かも?

このレンズは、いわゆるオールドレンズ的な”開放ソフトで絞ればキリリッ!”みたいな描写とは正反対の、現代レンズの先駆けのような性質の写り。ですので、柔らかい表現を求める場合はマッチしないことがあります。

ポートレートには”シャープすぎる”っと言われることもありますので、女性を撮る場合は要注意です!ちなみに妻はこのレンズで撮られることを非常に嫌がります。

3、ごくたまに迷うAF

AFは静かで速い方だと思うんですけど、おかしな挙動をして全くピントが合わなかったことが一度だけあります。再現性のあるものなのかは分からないのですが、今のところ一度きりの現象なのでそれほど気にすることでもなさそう。

ただ動画に関しては、少し追尾がマイルドかな?って感じることがあって、たぶんそのあたりは純正品が有利なのかなと。手持ちのFE55mm f1.8とFE85mm f1.8と比較すると、ほんの気持ち遅いような気もします。

ほんの気持ちです。

SIGMA Art 35mm f1.4 DG HSMはどんな場面でも活躍する万能レンズ

SIGMA 35mm f1.4 Artは抜群の解像度とキレイなボケ、おまけにコスパも良くって個人的には言うことなしのレンズです。購入してからというもの、これ一本で風景、スナップ、ポートレートなんでも行けちゃう万能さなのでほぼα7Ⅲにつけっぱなし。

少し重いのが難ですが、特に小さな子どもの撮影には強くオススメしたいです。

日常を”アート”に変える魔法をお試しあれ。