フルサイズって本当に必要?APS-Cで十分だと思った3つの理由

昨年、7年間使った愛機の60Dを手放し、フルサイズミラーレスのα7Ⅲを購入しました。

ついに手に入れた念願のフルサイズカメラ。

「めっちゃ高画質!めっちゃボケる!めっちゃノイズ少ない!」

なんて感じで、その圧倒的な性能に興奮しながらバシャバシャと我が子の写真を撮り続けていました。しかし、1年が経過し冷静に思うのは「APS-Cで十分だったかも?」っていうちょっとモヤっとした気持ち。

簡潔に言うとフルサイズは自分の用途にはオーバースペックだったっていうことですかね。APS-Cがベストバランスって主張をどこかで目にしたことがあるけど、今ならそれにもうなずけます。

というわけで、子ども撮りの用途に限定したものですが、APS-Cで十分だと感じた3つの理由について綴っていきたいと思います。

APS-Cで十分だった3つの理由

1、ボケすぎちゃう

“圧倒的なボケ量”っていうのもフルサイズカメラにとっての魅力のひとつ。

背景のボケた写真は非常に人気が高くて、中望遠で大きくボカしたポートレートなんかは定番中の定番。

僕自身もその”大きなボケ”に憧れてフルサイズカメラを購入したひとりで、2人の娘の日々の成長や何気ない日常をより印象的に残したいと思ったのが購入に踏み切った一番の動機。だったんですけど…。

実際に使ってみると、背景がボケすぎるっていうのも考え物。

背景ボケって必要?

最初こそフルサイズの大きなボケに魅了されて、F値開放で背景トロトロみたいな写真を量産していたんですけど、そういった写真って後から見返すと背景がボケすぎててその場の雰囲気や状況が全然伝わってこないんですよね…。

背景ボケっていうのは写真を印象的にする反面、思い出の場所だったり旅先の風景だったり、そういった必要なものまで排除してしまう性質も持っているわけです。

例えばインスタとかにある所謂”映える写真”ってあるじゃないですか?135mm開放で被写体だけをふわっと浮かび上がらせたみたいな、海外フォトグラファーみたいな作風のやつ。

確かに写真としては素敵だと思うんですけど、それってきっと第三者の目線で写真を”作品”として見ているからそう感じることができると思うんですよね。

我が子のストレートな成長写真として考えるなら、少なくとも自分の場合はむしろパンフォーカス気味の方が後から見たときに絶対いいよねって。

これは大きくボカせるフルサイズを使ったからこそ、思えるようになったことです。

そうなると、散らかった部屋だったり雑然とした風景だったとしても背景も立派な思い出なのかなって感じて、今はむしろボカしたらもったいないくらいの気持ち。

ボケすぎる→絞る

だったらAPS-Cでいいかもっていう。

2、高い

レンズ高いです。

フルサイズを買うと決めた時点である程度覚悟はしていたんですけど、その覚悟を上回る高価格にすっかり打ちひしがれてます。

レンズ1本10万円オーバーは当たり前。むしろ10万円なんてリーズナブルな部類で20万からスタートみたいな世界。僕のような貧乏サンデーカメラマンがうかつに足を踏み入れてはいけない場所、それがフルサイズの世界だったんです。

広角ズーム、標準ズーム、望遠ズームに単焦点。一通り揃えていたら、一体いくら掛かるのか。

APS-Cはやさしい世界

それに比べAPS-C界隈はとてもお財布にやさしいです。APS-C専用レンズならだいたい5、6万円もあれば十分なレンズを買うことができますし、高くても10万円もあればほとんどのレンズに手が届きます。

たとえばEマウント用SIGMA 30mm f1.4 dnなら、わずか3万円ちょっと。F1.4の換算45mmの標準レンズがこの価格で手に入るのはコスパが良いです。

そもそも、わずかな画質向上にわずかなボケ量アップ、そのために何万円も上乗せしたところで、自分自身が写真の質に転嫁できている自信は全くないですからね。

それに相当資金に余裕がないと、フルサイズに安レンズっていう本末転倒なパターンに陥ること請け合いですし、総額で100万円くらいポンと出せる気持ちがなければ近づかないのが吉。

安易に飛び込むと大やけど。

3、大きくて重い

シグマもそろそろいい加減にして欲しい。

愛用するSIGMA Art 35mm f1.4は、単焦点レンズにも関わらず重量766gと非常にヘビー。α7Ⅲとの組み合わせは約1200gと、スマホ換算約10個分。

最初はフルサイズを持つからには「重さなんて気にしない!」と息巻いていたのですが、それも束の間のこと。最近ではこの組み合わせを見るだけで「しんどい」が口をついて出てしまって、結局はα6000を持ち出してしまうことも少なくなかったり。

もちろんもっと重たいカメラやレンズなんてたくさんあるんですけど、世の大半がスマホで十分っていう時代を思えばちょっと愚痴りたくもなる。

ミラーレスのメリットってなんだったっけ?

「軽量・小型がミラーレスのメリット」

ミラーレスカメラが一眼レフに代わる新たなシステムとして登場した際には、こんな売り文句をよく目にしたような気がする。確かにミラーが無い分だけボディは小さくなったし、フルサイズセンサーを搭載したカメラがこの大きさで収まっているのは、間違いなくミラーレスならではの恩恵。

でも、レンズになると少し事情が違ってて。

ミラーレス化で一眼レフ用レンズにくらべコンパクトになっているかといえば、全くそんなことはなくて、むしろスペック競争の激化でさらに巨大化の傾向さえある。

もちろん軽量・コンパクトなレンズもあるんですが、そういうのはだいたいF2.8とか控えめなスペックで、結局のところ『重くて大きなものが高性能』であることはボディが小型化したところで変わらないんですよね。

高性能なレンズのほとんどが「重くて・大きくて・高価!」っていうちょっとした三重苦の状態。

だから、フルサイズでコンパクトなレンズを求めてF2.8を買っちゃうくらいなら、APS-CのF1.8でもいいんじゃない?っていう今はそんな気持ち。

まとめ。重要なのは必要なもの見極める力

やっぱり『足るを知る』っていうのはめっちゃ大切。

  • ボケ→ほどほどでいい
  • 大きさ→小さい方がいい
  • 重さ→軽い方がいい
  • 価格→安いほうがいい
  • 画質→等倍で見てもよく分からない
  • プリント→してもA4まで

こういう人間がフルサイズを買ったところで、持て余すに決まってるわけです。

もちろんフルサイズはAPS-Cに対して、より高画質で高感度耐性も高くボケ量に対するコスパが良いっていう多くの利点があります。

でも大事なのは、必要な性能を見極めるって事。高性能だからと言って必ずしも最適解の先にフルサイズがあるわけじゃないんですよね。大きなボケに憧れてフルサイズに乗り換えたものの、その大きなボケが必要だったのかは全く別問題だったっていう話。

とはいえ、せっかく買ったので大事に使ってきますけどね。