【続編に備える】ラストオブアスはおっさん積みゲーマーも虜にする超名作サバイバルアドベンチャー

購入後5年間手をつけていなかったラストオブアスをプレイした。今さら感は拭えないが、せっかくなので感想を書いていこうと思う。

しかし5年である。5年という歳月はおぎゃーと生まれた子がお遊戯会でセリフが割り当てられるほどの成長が見込める時間である。ところがゲームの世界ではそれを上回るスピードで進化していて、まさに日進月歩。

その世界において5年前のゲームなど、すでに骨とう品と言っても過言ではない。今さら楽しめるのだろうか?おっさん積みゲーマーが挑戦してみた。

5年寝かした理由

ラストオブアスは超が付くほどの名作。

これはゲーマーであればすでに当然のことのように知られる事実で、なんせ、あのメタスコア掲載サイト『Metacritic』において、過去10年におけるベストゲームNo.1に選出されるほど。つまりそれはゲーム史におけるマスターピースであることのひとつの証明でもあります。

しかし、そんな超名作をプレイせず放置していた。購入履歴(ダウンロード版)を確認すると2014年とあるので、足掛け5年ほど経っていたことになる。どうやらリマスター版発売直後に購入していたらしい。

やたら高いモチベーションで購入したくせに、なぜ5年もプレイしなかったのか?特にこれと言った理由もないのだが、あえて理由を探してみればそれはもうシンプルに”人としての老い”であろう。

若い人達にはなかなか伝わりづらいものがあるとは思うのだが、おっさんになると新しいものを取り入れることは心にも身体にも大きな負担がかかる。この年になると求めるのは刺激よりも安寧。ラジオはFMよりAM。

だから、その負荷に見合う見返りが約束されないと、腰は重いままで一向に上がらないのだ。人生の残された時間が少ない分だけ、どうしても無駄を避けたい心理が働いてしまう。

だから映画なら『バックトゥザフューチャー』だけを何回も観ているし、ゲームだって勝手知ったるものばかり繰り返しプレイしている。少なくとも失敗はないし、ある一定の楽しさは保証される。

それでも今さら本作を手に取った理由は、そろそろ『ラストオブアス2』がリリースされるということを知ったから。だから特段プレイ意欲が高まったというわけでもなく、さすがに続編の発売までにはクリアしとかなきゃな、というちょっとした義務感にかられた程度でしかない。

しかし、せっかく重い腰をあげたのだから、その見返りを期待したい…とも思っている。

積みゲーマーでも楽しめた

骨とう品かと思われた『ラストオブアス』をプレイした感想は…めっちゃ面白かった!

エンディングまでプレイしてみて感じたのは、こりゃ掛値なしに名作と呼べるゲームだなと。こんな名作を今まで放っておいたなんてゲーマー失格と言われても仕方がない。

もっと早くやっておけば良かったと思う反面、続編の発売前にプレイできたのは考えようによってはこれ以上ないタイミングでもある。熱量がある状態で発売を迎えられるのでそれはそれで乙なもの。

自分はすでにあらゆる感受性の枯れたおっさんであり、いわゆる積みゲーマーでもあるのだけど、意外な程にのめり込んでしまった。クリアまでのペースも相当早かったと思う。

そもそもがおっさんゲーマーはほんの少しのつまずきでプレイを中断してしまうほどストレスに弱い。ストレスで死ぬことさえあるアルパカにも負けず劣らずだ。しかし、そんな異様にストレス耐性が低い人間でも夢中でプレイしてしまうほど、おっさん積みゲーマーさえも引き付ける魅力があった。

そこで同じ境遇の方に伝えたい。

“このゲームをプレイすることは無駄ではない。安心してプレイしてほしい”

今から理由を説明するから。

ストーリーが良い

噂には聞いていたものの、ストーリーが本当に素晴らしかった。

ストーリー性が評価されているゲームは過去にも数多くあったように思うが、そういうのはだいたいゲームだから通用 (許されて) しているようなものがほとんど。

婚約者が目の前で殺された直後の『お兄ちゃんの弱虫! 』とか 。 今思えば本当にひどい話だ。

しかし、ラストオブアスはゲームだからなんてエクスキューズがなくても、物語のクオリティそれ自体が高く非常に見ごたえがある。映画とゲームという2つのメディアが最高にかみ合ったことで到達できた、ある種の芸術のような作品で、本作を『プレイする映画』と表したのは言いえて妙。

とはいえ、ポストアポカリプスものなんて掃いて捨てるほどあるし、舞台設定は目新しくもなんともない。それらと比べラストオブアスが素晴らしいのは焦点を絞ったこと。だから物語の輪郭がぼやけてないから力強い。

捨てることは拾うことよりずっと難しいはずなのに、余計なものはすべてそぎ落とされている。

終わらせる勇気

個人的には何らかの喪失感を感じられる終わり方が好みなのだけれど、そういった視点で言っても最大級のもの味わったし、ラストのシーンはいろいろな解釈ができるのも余韻が残って良い。

世代的に自分は完全にジョエル視点なので、エリーの気持ちがさっぱり分からない事がもどかしい。親子のすれ違いのような、お互いがお互いのことを思ってるのにうまくいかない…みたいな。そういうのって、なんかいろいろ難しいよなって。だけどそう思わせるくらい物語に説得力がある。

ゲームでそれを表現することも驚きだけど、もっとすごいのはそこで終わらせる勇気。引き際が大事っていうのは勇気がいるからこそ。

終わりかたも完璧。

一本道

最近のゲーム界隈で言えば、一本道というのは何かとネガティブな印象を持って語られることが多い。

にも関わらずラストオブアスは超がつくほどの一本道。

サイドミッションも無いし、これといった寄り道できる場面もない非常に割り切ったゲームデザイン。しかしそのおかげで次の目的地にも迷うこともないので、余計なことを考えずにぐんぐん進むことができる。これは常に疲労困憊気味のおっさんゲーマーには非常にありがたい仕様で、なんというか目的に一直線に進める気持ちよさがある。

オープンワールドゲームだとこうもいかない。

豊富なサイドミッションに胸焼けし、広すぎるフィールドに辟易する。何かしらの危機的状況が迫っていても、となりの婆さんの失くしものを探したり、痴話げんかの仲裁をする羽目になったあげく、本筋のストーリーを忘れて、あれ?こいつ誰だっけ?みたいな、そんな事が日常茶飯事。

必ずしも選択肢が多いことがプラスに働くわけではないということ。

一本道ってとかく悪く言われがちだけど、一周回ってこの不自由さが心地よい。

完璧なペース配分

一本道はストーリーに集中できるというメリットもある。

旅の目的はエリーをあるところまで無事に届け引き渡すという非常にシンプルなもの。道中描かれるのはジョエルとエリーの関係性で、いがみあったり、拒絶したり、認めあったりっていう互いの心情を時間をかけてゆっくりと紡いでいく。目的が明確だからこそ、それらの変化を丁寧に拾い上げることができるし、感情移入の底上げにもつながる。

それにプラスして、緊張と緩和のペースが絶妙。

敵に遭遇したドキドキ感だとか、生き残った安堵感だとか、各イベントのつなぎ目だとか、そういう感情の起伏を促す場面が一定の間隔で用意されていて、いいように人の気持ちをかき回してくる。

海外ドラマとかだとだいたい15分に1回は見せ場を作るとか、そういうセオリーがあるらしいのだけれど、きっとラストオブアスもそういった何らかのフォーマットに則ってイベントを配置しているのは間違いない。きっとすべて計算ずく。

何だかこちらの感情までコントロールされてるみたいでちょっと悔しいけど、それだけうまくハマってるからこそ。

シンプルで奥深いステルスアクション

覚えることが少ないのもいい。

基本的に敵との戦闘は避けられるものは避けていくことが得策なのだけど、その為に用意されたステルスアクションは意外なほどシンプル。ステルスなので当然物陰かなんかに隠れながら行動することになるのだが、できることといえば

  • 瓶、レンガを投げて気を引く
  • 羽交い絞めにして締め落とす

だいたいこれくらい。素っ気ないほど最低限で原始的。

キャラの強化なんかも基本ステータスのアップくらいで、武器も同様に性能の底上げがメイン。便利ガジェットがあるわけでもなく、華麗なフィニッシュムーブとかもない。でもそれがいい。やたらめったら枝分かれしたスキルツリーなんかめまいがするだけ。

だいたいの物は不足気味で、特定のアイテムなんかは拾ったものから工作する必要がある。これもサバイバル感の演出に一役買っている。必要な素材が共通してるものもあったりして、どっちを優先するか?みたいな、程よい悩ましさも憎らしい。

とにかくアクション面に関しては、現代ゲームにしてはかなり簡素な仕様。

だからと言って物足りないという訳ではなく、一流シェフがシンプルな調味料で最高の料理を仕上げるような奥深さがある。

ロードが速い

自慢ではないがステルスプレイがめちゃくちゃ下手。

すぐに見つかって、すぐに殺される。全然エリーを守れないし、何回も顎を引き裂かれた。だから何度も同じ場面をやり直すことになるのだけど、ロードが速いのは非常に助かる。ストレスフリー。ほんと一瞬。

少ない自由時間でプレイしてることもあって、ロードが速いことは挫折しないためには何よりも大事なこと。

まとめ

続編が待ち遠しくて仕方がないし、成長したエリーに会うのが楽しみで仕方がない。こんな気持ちにさせてくれるゲームは数年に一本あるかどうか。

まだプレイしていない人は、これからでも全然遅くはない。むしろ今がベストとさえ言える。

良質なストーリーに溺れたい方は是非。