サカゲー頂上決戦|FIFA18 vs ウイニングイレブン2018を徹底比較




FIFA、ウイニングイレブンの最新作が出揃い、今年もサッカーゲームの季節がやってきました。どちらの作品を買おうか迷っているサッカーゲームファンも多いんじゃないでしょうか。

そこで今回はサッカーゲーム暦15年の私が、永遠のライバルFIFAとウイニングイレブンの最新作を実際にプレイしたうえで、出来る限り公平な比較を行いそれぞれの特徴をお伝えしたいと思います。

関連記事:【名作保証】メタスコア80以上|PS4おすすめアクションゲーム【随時更新】

サッカーゲーム暦

まずは公平な目線の証明として、自身のサッカーゲーム暦を紹介したいと思います。

▼サッカーゲーム暦

  • PS2⇒ウイイレ5~9、トータルフットボール2
  • PS3⇒FIFA08~14、ウイイレ2014
  • PS4⇒FIFA14~18、ウイイレ2015~2018

と、こんな感じ。

FIFAシリーズはPS3以降の作品は、全てプレイしていることになります。

特別どちらかのゲームに思い入れがあるわけではないし、ここ数年は両方の作品を購入して面白いと思ったほうをプレイしています。

ただし、完全に主観を取り除くことは不可能ですので、最終的には好みの問題であることを理解したうえで読み進んでいただけたらと思います。

徹底比較 FIFA18vsウイニングイレブン2018

最新作の比較の前に、客観的な両者の立ち位置を明らかにするため、前作の売り上げデータを比較してみます。

  • FIFA17 :1700万本
  • ウイイレ2017 :140万本

ワールドワイドではウイイレの完敗で、FIFAに大きく水をあけられた格好となっています。

しかし必ずしもゲームプレイの質が売上を左右するわけではないのが、現代スポーツゲームの難しいところ。

特にライセンスの有無はその競技を問わず、売上に対する比重が高まっている傾向にあります。

もちろんそれを含めひとつのパッケージですので、フランチャイズが力を入れるのは当然のこと。

ではこれらの状況を踏まえ、どちらが真のサッカーゲームの勝者にふさわしいのかを見極めてきたいと思います。

グラフィック&モーション


リアリティや没入感を高めるために必要不可欠なグラフィック。それぞれの絵作りに違いはあれど、どこまでリアルに近づけるかがスポーツゲームとしての究極の目標でしょう。

その役割を果たす上で、大きなウェイトを占めるのがグラフィックの強化であり、かつもっともインパクトを与える方法です。

フロストバイトの本領発揮

FIFA18はフロストバイトエンジン2作目ということで、非常に優れた映像表現になっています。

スタジアムの空気感まで感じるようなグラフィックには驚くばかり。

ユニフォームの質感や旧作までやや問題のあった顔の再現度まで、FIFA17からわずか一年とは思えないほどのクオリティアップを実現しています。

ユニフォームやスタジアムの描写は圧巻

「サッカーゲームもここまで来たか」と感動すら覚えるほどのグラフィックに仕上がっています。俯瞰で見てもアップで見ても素晴らしい画質です。

リアルだけどリアルじゃない

それらのすばらしい映像表現と比べ、選手自体は関節のないゴム人形のような動きが気になります。

もちろんリアルではあるんですが、『本物の人間の挙動』とは違ったゲーム的なリアルさの延長であるような動き。

ですので、リアルになったとしても決してそれを現実の試合と見間違えるようなことはありませんし、モーションの悪さを誤魔化すこともできません。

これはもともとのFIFAの絵つくりの傾向でもあるんですけどね。伝統芸的な。まぁそういうもんです。

顔のグラフィックについても同様。

特定の選手のクオリティは非常に高く肌の質感もバッチリなんですが、固有フェイスであってもあまり似ていない選手も多く造りこみにバラツキがあります。

顔色が土気色なのも毎度のこと。

重みの足りないパスモーション

ゴム人形はいわばFIFAの伝統芸みたいなものなので、どうということはないのですが、個人的にどうしても気になるのがパスモーション。

ボールの飛距離に比べ蹴るモーションが軽すぎると感じます。

軽いタッチで蹴ったボールが数十メートルも飛んでいく現象は不自然だと感じます。

とくにダイレクトでのパス回しで感じることが多いですね。

ただ、このことはあまり言及されていないようなので、そんな風に感じているのは自分だけかも知れません。まぁ、参考程度ということで。

また一部スキルムーブが、そこだけ切り取ったかのような俊敏な動作になるのも違和感の原因。

ドリブルなんかは初動はゆっくりで徐々にスピードアップしていきますが、スキルムーブはいきなりトップスピードで発動するのでFIFAの売りとされているリアリティとはかけ離れてしまう結果に。

ただ総合的にみたグラフィックの質はかなり高く、スポーツゲームの中でも頭ひとつ抜けている印象。

突出した選手のグラフィック

ウイイレが使用しているFOXエンジンも非常に優れており、選手の顔はリアルそのもの。クローズアップしたグラフィックはほんとうに素晴らしく、本物と見間違えるほどです。

今作は芝の質感がFIFAにくらべ劣っているという意見もありますが、個人的にはあまり気になりませんね。

むしろ誇張のない表現が自然に感じ、パッと見美しく見えるFIFAのゲーム的な美しさとは異なる表現方法と言えます。

選手の表現はすばらしいビジュアル

とはいえ、デフォルトのままではのっぺりしている感じが否めないこともたしか。

最初に明るさとコントラストを設定できるのですが、指示通りに設定してしまうと明るくなりすぎてしまうのも一つの原因になっています。

明るさを下げて、ややコントラストを強めにかけてやるといい感じの芝感がでるようになりますので、ウイイレのグラフィックに不満がある人はぜひ試してみてください。

滑らかなアニメーション

アニメーションは非常に滑らかで、自然なモーションを実現しています。FIFAのパスモーションに比べ、しっかりボールを蹴っている感覚が伝わってくるのも好感触。

実際の試合映像と見比べても、より人間的なモーションを見せるのはウイイレです。

▼参考動画

各種フェイントも基本動作から切り離されたような動きはなく、きわめて自然であり特定のスキルが強すぎることもありません。

重心の概念が色濃く反映された結果、より人間らしいリアルなモーションを実現しています。

▼判定

FIFAのグラフィックはパッと見のインパクトがある分、ゲーム的なリアルさが目につきます。対してはウイイレはより人間的なグラフィックを目指している印象。

どちらが優れているというよりは好みとしての問題になってきますので、甲乙つけがたい結果に。

FIFA18 : 9.2

ウイイレ2018 : 9.2

ライセンス

サッカーゲーム最大の生命線がライセンスです。グラフィックがリアルになればなるほどその重要性は増し、ライセンスの取り合いは年々激化しています。

もはやサッカーゲームの明暗を分けるのは、ゲームプレイそのものではなくライセンスだといっても過言ではないでしょう。

今シーズンも好調なライセンス

FIFAシリーズ最大のセールスポイントが、充実したライセンスです。

そのライセンスの暴力を使い、欧州5大リーグをほぼ完全に再現。セリエこそカルチョという偽名リーグになっていますが、プレミア、ラ・リーガ、ブンデス、リーグ・アンについてはフルライセンスで収録。

テレビ中継や演出の再現度も高い

特に力を入れているのがプレミアリーグとラ・リーガ。

チームやリーグのライセンスはもちろんのこと、実際のテレビ中継や選手紹介など、とことんリアルを追求した演出を取り入れることで、本場の欧州サッカーをこれ以上ないほどの臨場感をもって体験することができます。

前作よりJリーグを搭載したことで、日本のサッカーファンにもアピールできるものになっています。

ウイイレの苦境は変わらず

ライセンス、売り上げともに順風満帆のFIFAとは打って変わり、ウイイレがここ数年もっとも苦しんでいるのがライセンス問題。

欧州5大リーグのうちフルライセンスはリーグ・アンのみ

プレミアはアーセナル、リヴァプールが実名で、その他チームはすべて偽名。セリエAが最も多くのライセンスを取得していますが、肝心のユベントスが偽名収録に。

ラ・リーガはバルセロナ、アトレティコマドリード、ヴァレンシアのみ実名収録されているのみで、その他のチームは全て偽名。それはレアルマドリードでさえ例外ではありません。

複数のビッグクラブとパートナーシップを結ぶなど、努力の姿勢はみえるが…

ブンデスリーガについてはリーグごと未収録。

その他欧州チームとしてドルトムント、シャルケ、ライプツィヒが収録されるのみで、バイエルンミュンヘンに至ってはチーム自体存在せず。

ブラジル、アルゼンチン、チリリーグのライセンスを取得したりと、ある程度地域やターゲットをしぼった戦略をみせていますが、ワールドワイドでのアピールには至っていません。

南米に力を入れざるを得ないところが、ウイイレの苦境を表していると言えるでしょう。

ただしウイイレには日本代表のライセンスがあることは国内においては大きな武器。

さらにはCLリーグのライセンスもウイイレにしかありません。この2点のライセンスに関しては、ウイイレにとっての最後の砦ともいえるものです。

ライセンス問題の行方

ライセンスは企業努力で解決できるものではなく、それがより問題を根深いものにしています。

近年のライセンス問題はユーザーが置いてきぼりになっている印象がぬぐえません。ライセンスの取り合いが激化し、結果どちらのユーザーにとっても不利益が生じる状況になっています。

FIFAユーザーにとってはカンプノウやジグナル・イドゥナ・パルクが搭載されていないことは不満点の1つですし、CLの権利は喉から手が出るほど欲しいはず。

それ以上にバイエルンやブンデスリーガさえもないウイイレに至っては悲劇としか言いようがありません。

両作品のファンとしては純粋なゲームプレイで勝負をして欲しいのが本音ですが、しばらくの間この状況が変わることはないでしょう。

補足

通称”神データ”を導入することで、多くのライセンス問題を解消することができます。

有志が作成したkitデータをインポートし、各リーグのロゴ、チームユニフォームを再現することができます。地名登録されている都市であれば実況も反映させることができますが、あくまで非公式であり完璧を望むことはできません。

▼判定

比較するまでもなくFIFAの圧勝。

FIFA18 : 9.0

ウイイレ2018 : 5.0

固有フェイス

ライセンスも大切ですが、実際のサッカーを再現するためにはそれだけでは不十分です。リアルを求めるサッカーファンにとって、固有フェイスの充実は没入感を高める重要な要素。

本物さながらの選手たちを操る特権をより多く有しているのはどちらの作品でしょうか?

プレミア重視をどうとらえるか

FIFA18固有フェイスの選手数は

1,236人。

各国リーグの内訳は以下のように。

 1部2部
プレミア421150
ラリーガ934
セリエ702
ブンデス78
フランス677
MLS33
ポルトガル12
オランダ16
アルゼンチン6
Jリーグ57

ご覧の通りプレミアリーグの充実度が群を抜いていますね。FIFAはUKが主戦場ですので、最も売り上げが見込める地域のリーグに力をいれるのは当然ともいえます。

しかしプレミアリーグの充実度と比べ、他国リーグの固有フェイスは思いのほか少なく感じてしまいます。

プレミア以外のリーグは少な目

プレミアを除く4大リーグでさえも、100人を超えているリーグはありません。

実名選手やライセンスの数は圧倒しているので、その他4大リーグの固有フェイスをどれだけ増やしていけるのかが今後の課題でしょう。

優先順位に疑問も

その為、たとえビッグクラブであっても固有化されていない選手がちらほらと見受けられるのは残念。

たとえばCL2連覇を果たしたレアルマドリードの主力選手、カゼミーロやアセンシオが未だモブ顔なのは理解に苦しみます。

左は誰だ?

固有化される選手の優先順位については、疑問を感じざるをえません。

Jリーグファンは歓喜

ここ日本に置いてはJリーガーの固有フェイスが増加したことは朗報でしょう。

FIFA17で初搭載されたJリーグですが、固有フェイスは槙野選手わずか1名だけでしたからね。

それが今作では57人に激増。各チーム数名づつではありますが、それでもわずか1年でここまで増やしてくることはJリーグファンでも予想できなかったことではないでしょうか。

EAが日本市場に力を入れ始めていることが分かります。

今作の売り上げしだいでは、次作以降にはさらなる増加も期待できるかもしれません。

ライセンスでは負けても顔グラは譲れない

ウイイレ2018の固有フェイス有選手総数は1650人と、FIFA18に比べ400人以上多い数字に。

各国内訳は以下のように

 1部2部
プレミア32492
ラリーガ20335
セリエ21919
その他欧州156
フランス11518
ポルトガル49
オランダ58
ブラジル34
アルゼンチン32
チリ
その他南米2
ACL134

欧州リーグは、FIFAよりもバランスの取れた配分になっています。

ラリーガ、セリエ共にFIFA18の倍以上の人数です。

ライセンスで負けている以上は、固有フェイスの数やクオリティはウイイレにとって譲れない部分ですからね。

顔グラは圧倒的なクオリティ

その意地は実際の映像を見てもらえれば一目瞭然。FIFA18と比較しても明らかにウイイレに軍配があがります。

しかし固有フェイスが作り込まれたぶん、FIFAよりもモブ顔との落差を感じてしまうこともしばしば。FIFAの方が落差がないぶん、違和感を感じにくいように思います。

このあたりのバランスは改善の余地があります。

いずれにしても、より多くの固有フェイスの導入はFIFAと同じく、今後の変わることない課題といえるでしょう。

▼判定

年々増えている固有フェイスですが、まだまだ一部の選手のみといったところ。両作ともにさらなる充実を願いますが、現時点ではウイイレが大きくリード。

FIFA18 : 7.0

ウイイレ2018 : 8.2

実況

白熱の試合をサポートするのが実況・解説。場面に合わせた実況が、本物の試合のようにピッチを盛り上げます。

両作ともに英語実況を搭載していますので、現地の雰囲気を味わいたい人はぜひ。

棒読みの改善はみられたが

FIFAの日本語実況の評判が良かったことは、ぼくの記憶のなかでは…ありません。

実況を担当する西岡氏は海外サッカー中継が本職であり、その仕事ぶりには定評があります。

ですのでFIFAが長年抱えるウィークポイントは、実況ではなく解説。

ここ10年くらいの解説者の変遷を見ていきますと、岡田武志氏⇒堀池巧氏⇒福西崇史氏と3名が入れ変わって担当しています。

岡田武志氏の解説は個人的には結構好きだったんですけどね。試合とはあまり関係ない雑談などが聞けて楽しかった記憶があります。

このころはそれほど悪い評判も聞かなかったんじゃないでしょうか。

堀池氏の悪夢がふたたび…

FIFAの実況解説の評判を地に落としたのは、間違いなく堀池巧氏でしょう。堀池氏の解説をはじめて聞いた時の絶望は今でもよく覚えています。

なんだ、この滑舌の悪さは…。

その時期のFIFAには以前収録されていた英語実況が選べなかったため、選択の余地なく堀池氏の解説を聞かざるを得ませんでした。FIFAユーザーにとっては悪夢のような経験だったのではないでしょうか。

そして堀池氏の退任が決まり、FIFA17からは後任として福西氏が選ばれその解説に期待したのですが…

滑舌は悪くいないです。良くもないけれど。しかし、堀池氏とはまた違った問題が発生。

棒読み。

その棒読みっぷりには堀池氏に勝るとも劣らずなほどの衝撃と落胆を受けました。

FIFA18ではその棒読み感もある程度改善されましたが、それでもマシになった程度。聞けないことはありませんが、ぼくは迷わず英語実況に切り替えました。

西岡さんはいい仕事してるんですけどね。

もはや職人芸

ウイイレの実況といえばジョン・カビラ氏ですが、実はサッカー中継の実況経験はありません。

コアなサッカーファンにとっては、実際のサッカー実況をしたことがない彼を認められない気持ちもあるでしょう。

しかし、かつてサッカーゲームといえばウイイレであり、ウイイレといえばジョンカビラであったことはまぎれもない事実。

ウイイレにとって彼の実況はなくてはないもの。そして今作もジョンカビラ節は健在です。

そんなカビラ氏の相棒には解説として北沢豪氏が。ウイイレ2014辺りまでは名波浩氏とともにダブル解説をしていましたが、近年は北沢氏に一本化。

北沢氏の解説能力はかなり高く、棒読み感は全くと言っていいほどありません。要所で戦術解説をはさむなど、しっかりと解説者としての役割をキチリと果たしてくれます。

この2人の息のあった実況は、もはや職人芸ともいえる領域に入っています。

▼判定

スカパーのような落ち着いた実況を望むのであればFIFAを。日本代表戦のような感情を爆発させるような実況を好む場合はウイイレ、といった感じでしょうか。

しかし好みの問題はあれど、福西氏の解説はいただけません。

FIFA18 : 7.0

ウイイレ18 : 8.5

各種モード

サッカーゲームの旬は短く、それは次回作がでるまでのわずか1年間。その1年間をいかに濃密なサッカー体験に変えられるかは非常に重要なポイントです。

ジャーニーは映画を観るかのよう

FIFAがサッカーゲームに革命を起こしたのが、前作から登場したTHE JOURNEYでしょう。

FIFA18ではその第二章が幕をあけ、さらにドラマティックな展開を迎えます。さながら海外ドラマや映画を観ているような高品質なストーリーには思わず引き付けられてしまいます。

実在のスターも登場

実在のスターも多数登場し、物語を盛り上げます。サッカーファンなら思わずニヤリとしてしまう演出ですね。こういった部分はウイイレには真似できない、FIFAだけが持つ強力な武器ともいえます。

Ultimate Teamは円熟

そしてFIFAシリーズで最も高い人気を誇るのがFUTです。パックを引きカードになった選手を集め、オリジナルのスカッドを組み、ディビジョンといランクステージを駆け上がりタイトルを目指します。

数多くのレジェンドの登場で、スカッドを組む楽しさは倍増。パワーアップしたパック開封の演出も見どころのひとつで、何がでるのかワクワクするような仕掛けになっています。

このあたりはさすがというほど、盛り上げ方がうまいです。

その他にもキャリアモードや、Pro Club(11vs11)、シーズンなど、1年という期間では遊びきれないほどの多彩なモードがオン・オフ問わず用意されています。

3vs3のco-opがアツい

ウイイレの新要素は、最大3vs3で対戦することができるオンラインco-op。

FIFAの11vs11に比べると物足りないと考えてしまいがちですが、3vs3だからこその連携の楽しさや手軽さもあります。

それぞれの役割が軽減されるで、あまり気負うことなく楽しめるのはありがたいですね。

オンラインco-opで

メインモードとしておなじみのMY Clubやマスターリーグとそつなくまとまっていますが、FIFAのジャーニーという目玉に対抗できるような新要素はなく、やや新鮮味に欠けていることは事実でしょう。

従来の要素には大きな変化はなく、安定はしていますが刺激は不足しています。

▼評価

FIFAに取り揃えられているモードは、とにかくゴージャスです。サッカーというスポーツを包括的に楽しむことができる舞台がこれでもかと用意されているのはさすがの一言。

ウイイレはオン・オフともに過不足なく揃っていますが、既存モードの刷新とまではいかず、ややマンネリ感も。

FIFA18 : 9.5

ウイイレ2018 : 7.6

ピッチ上

サッカーゲームにおける評価をどこに置くのかは議論の余地があるかもしれませんが、ピッチ上の出来事がもっとも重要であることに変わりはありません。

オフェンス偏重がもたらす大味な展開

FIFA18の最も大きな変化はオフェンス面の進化でしょう。

刷新されたドリブルはより細かなタッチを実現していますし、新たなクロスも追加されました。AIの進化はより状況に応じたポジショニングを取ることを可能にし、創造的なアタッキングをサポートします。

それらの豊富な攻撃オプションによって、試合展開はよりスペクタクルなものになったと言えますね。

またパスが非常に繋がりやすいため、流れるようなパスワークで相手ディフェンスを崩す快感も備わっています。

オフェンスの進化は著しいが、ディフェンスがあまりに無力なのはいただけない

反面、オフェンスが新たな武器を獲得し攻めやすくなったことで、ディフェンス側が強いられる負担は今まで以上に増えました。

FIFA18ではディフェンス面での大きな刷新はなく、進化したオフェンスとの差分がそのまま攻守のバランスに強い影響を与える結果になっています。

試合面への影響は大きく、過去作に比べ非常に点が入りやすく(GKも弱くなった)、点を取り合う大味な展開が増えました。

オフェンスの手軽さ・攻め手の多さに比べ、ディフェンス側が強いられる負担とのバランスが取れていないことが一番の原因といえるでしょう。

結果的に、FIFA18ではサッカーという競技の持つ深みはおざなりになり、表面的なダイナミズムやドラマ性のみにフューチャーした『リアルサッカー風のキャラゲー』という、従来から持ち合わせている要素を良くも悪くも推し進める形になりました。

リアルなキャラゲー

本格的なビジュアルや豊富なライセンスを持ったキャラゲー、パーティーゲームとしての側面が強くなったことも、よりライトな方向に舵をきったことを意識させます。

しかし問題はある種のキャラゲーでありながら、選手の持つ個性をうまく表現するには至っていないことです。

ドリブルに優れた選手はよりクイックに動くことができ、より多くのスキルを繰り出すことができますが、端的に言ってしまえばそれだけの違いでしかありません。

パスに関しても誰でも正確無比なパスをけることができてしまうため、パサーの価値を低くしてしまっています。

時に目も当てられない駄作(FIFA15)を世に送り出してきたFIFAシリーズですが、今作がシリーズにおいてどのような位置づけで語られるようになるのか興味深いものがあります。

サッカーを個と戦術で再現したウイイレ

個人的な感想に限ってしまえば、FIFA、ウイイレ両作のピッチでの争いはウイイレに軍配があがります。

よりライトな方向に進んだFIFAに対し、ウイイレが進んだ方向はその対極に位置します。あらゆるアクションのリアリティを追求し、選手個人の能力を表現しながらも、サッカーがもつ深みを戦術面からも掘り下げました。

個と戦術の両面から、サッカーの持つ奥深さを再現

さまざまな戦術をリアルタイムに発動できるコンセプトアレンジはさらに進化し、可変フォーメーションと組み合わせることで現実さながらの戦術を再現可能に。

試合の流れを読んだ戦術が機能した瞬間の達成感は、FIFAでは味わえない醍醐味です。サッカーの競技性そのものを再現しようという心意気を感じます。

磨きがかかった選手の個性とドリブル

改良されたアニメーションはさらになめらかになり、トラップひとつとってもその瞬間に激しい攻防が生まれます。

ファーストタッチの置き所で勝敗は別れ、息つくまもなくピンチもチャンスも訪れる緊張感はフットボールそのものの醍醐味。

特にドリブルの進化には目を見張るものがあり、左スティックだけで多彩なフェイントを繰り出せるようになったのは大きな進化でしょう。

ややゲームスピードがゆるやかになり、重心の概念が強化されたことでよりリアルに近づきました。体勢の崩れたパスは簡単には通りませんし、体を入れボールを守るようになりましたがプロテクトも強力すぎることはありません。

また選手の個性が明確に表現されているのも特筆すべきポイントです。

メッシの細かなリズムをもったドリブルは、ネイマールやコウチーニョのそれとは明らかに異なります。同じドリブラーであっても三者三様のスタイルが表現されているのは特筆すべきもの。

持たざるものの矜持は報われるのか?

しかし皮肉なことに、より戦術性を高めたゲームプレイは時にマニアックなものになり過ぎてしまい、肝心なライトユーザーに上手くアピールすることができずにいます。

FIFAがライトな方向にすすんだことで『本物の演出の本物の選手によるスペクタクルなサッカー』を誰でも展開することができるようになりました。

一見大きな違いがあるように感じないゲームプレイであれば、より豪華なビジュアルでより多くのライセンスを保持しているソフトが支持されるのは当然のこと。

ゲームプレイ自体の深さに違いがあることをアピールできずにいるのが、ウイイレが陥っているひとつのジレンマではないでしょうか。

▼判定

FIFA18 : 6.8

ウイイレ2018 : 9.2

FIFAかウイイレか

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

徹底比較なんてさも中身のありそうなタイトルを付けてしまいましたが、正直に言ってしまえば歴史を重ねてきたシリーズです、両者に決定的なクオリティの差はありません。

しかしそれでは見も蓋もないので、両作を選ぶ基準としては以下のようにまとめさせてもらいました。

FIFA18はこんな人におすすめ

  • ライセンスはなにより重視したい
  • リアリティのある演出は不可欠
  • Jリーグが好き、もしくはサポーターだ
  • 派手でダイナミックな試合展開が好き

 

ウイイレはこんな人におすすめ

  • 試合面のクオリティが大事
  • やっぱり日本代表が使いたい
  • ライセンスは気にしない、もしくはKITを導入する予定
  • 戦術面からを試合を考えたい、1点に重みを感じたい

ただ一つ言えることはサッカーゲームの旬は短いです。

どちらと言わずサッカーシ-ズンが開幕しているうちに楽しんだもん勝ちなのは確かじゃないでしょうか。

来年はワールドカップイヤーですしね。

では、良きサカゲーライフを。

関連記事:【名作保証】メタスコア80以上|PS4おすすめアクションゲーム【随時更新】